先輩移住者紹介~西村拓朗さん~

(やっぱり地元が好き。Uターン移住した西村さんに、
長門市での里山暮らし、仕事、子育て環境について伺いました)

「防府の消防士から長門の消防士へ」

西村 拓朗さん 30代 防府市よりUターン
 長門市消防本部 勤務

移住の経緯(きっかけ)を教えてください

高校を卒業後、専門学校進学を機に地元を離れそのまま市外の消防署へ就職をしましたが、長男なのでいつかは帰ろうと思っていました。地元で子育てをしたいという思いもあり、結婚をきっかけにUターンを考え始めました。良いタイミングで長門市の消防署への採用が決まった事が移住の決め手でした。

仕事はどのようにして見つけましたか?

同じ職種での移住を検討しており、長門市役所のホームページをチェックしていました。7月に長門市役所職員募集枠の中に消防士を見つけ、年齢上限最後の年(当時25歳)だったこともあり、覚悟を決めて試験に臨みました。11月採用決定の知らせがあり、翌年4月から長門市消防本部で移住後も消防士として従事しています。

どのようなお仕事をされていますか?

消火活動や救急活動など消防業務全般行っています。救急救命士の資格も取得し、救命講習なども行っています。適切な医療機関へ適切な処置をして搬送するという、命を預かる仕事に対し、使命感を持って取り組んでいます。

▲日々、訓練に励んでいる
▲救急救命士の資格も取得している

住まいはどのようにして見つけましたか?

準備期間は半年もありませんでしたので、急いで住まいを見つける必要がありました。自身で不動産業者に出向き、何軒か内覧した後、戸建の賃貸を見つけました。物件詳細は現地を見学しないとわからない部分が多く、物件探しには苦労しました。今は不動産のホームページで間取り図や概要など細かく情報を知ることもできるようです。僕のように急いで住まいを探さないといけない、すぐに住める状態の物件を希望している人は不動産の方が向いていると思います。じっくりと時間をかけて移住を検討している人や、古民家をリノベーションしてみたい!田畑付きの物件で半自給自足の生活に挑戦してみたい!というような人は、市の空き家情報バンクも併せて検討されるといいのではないでしょうか。

移住前と後で生活コストの変化はありましたか?

移住前は一人暮らしだったので、当然生活コストは上がりました。具体的な話になると、都市ガスではなくプロパンガスなので、ガス料金は高いように感じます。食費に関しては実家で米や野菜を作っているので買わずに済むのですが、米、野菜作りでの儲けはほとんど無いようです。両親は労働の割に合わないと言いながらも、自分達で作った米、野菜を食べること、子どもや孫達に食べてもらえる喜びの方が大きいと頑張ってくれています。貰う代わりに僕も休みの日は農作業を手伝っています。労働と食料の物々交換ですね(笑)。
住まい(賃貸物件)に関しては田舎の割に家賃が高く、家賃を払い続けるくらいなら、新築したほうがいいのではと思い、第2子が生まれたタイミングで、実家の側に家を建てました。父名義で田、畑の他に山も所有しており、資源を有効活用したい、田舎ならではの暮らしを楽しみたいとの思いから、薪ストーブを設置しました。やはり、直火はいいですね。
田舎は都会に比べると土地代はかなり抑えることができると思うので、憧れのマイホーム新築も夢ではないと思います。

▲薪ストーブあったかいな~
▲裏山で筍堀り
▲田んぼも遊び場

地域側の受入体制と状況はどうでしたか?

僕自身は地元なので、そこまで抵抗はありませんでしたが、妻は知らない土地での暮らしに慣れるまで大変だったと思います。地域にもよると思うのですが、移住当時住んでいた地区は市の中心部で、人の入れ替わりが多い地区でしたので、割と人間関係はあっさりとしていたように感じます。今住んでいる地区に引っ越してからは、僕自身が地元という事もありますが、地域の人が温かく受け入れてくれたことが嬉しかったです。長門市では就学前の子育て世代の家に地域の母子保健推進委員さんが毎月訪問し、子育てに関する情報誌を配布してくれます。その際、子育てに関する悩みや困りごとを相談することができます。移住した人向けにそういった訪問事業があると良いのではないかと思いました。長門市の人は受け身の人が多いような気がしますが、自分から勇気を持って話かけると、一気に仲良くなり、親身になって世話を焼いてくれる人が多いと思うので、積極的に自分から声をかけることも大事だと思います。妻も仕事を始めてから、友達の輪が広がっていったようで、今ではすっかり長門市での暮らしに慣れ、田舎暮らしを家族みんなで楽しんでいます。

子育て環境はどうですか?

子どもが4人いるので、実家の両親や地域のサポートが本当にありがたいです。仕事の時は、実家の父母が子どもたちの習い事(スイミングスクール・ピアノ教室)や保育園の送り迎えをしてくれ、放課後面倒をみてくれています。ご近所さんは子どもたちを見かけて、「いってらっしゃい」、「おかえり」と普段から声をかけてくれます。田舎なので、習い事のジャンルは限られてくるのかもしれませんが、田舎ならではの習い事もあります。僕の地元では年間を通じて陶芸(萩焼)教室が開催されています。土をこねて、自分で考えて好きな物を作ります。子どもたちは毎回楽しみにしています。
里山暮らしの魅力はやはり豊かな自然環境だと思います。春には田植え、夏には裏山での昆虫採集や川遊び、秋は落ち葉で遊び、冬は雪遊び、四季を通じて家庭菜園での野菜作り等々、日常生活の中での様々な遊びは、都会では味わうことができない田舎暮しの醍醐味で、子どもたちにとってかけがえのないものになるのではないかと感じています。

▲自宅そばの川 魚いるかな~
▲あっ!おたまじゃくし!
▲人参とれたよ!

休日の過ごし方・長門市の好きなものを教えてください

休日は薪ストーブ用の薪作りや、実家の農作業の手伝いをしています。家族の休みが揃う日は、一家団欒を楽しみます。住んでいる地域内に魚がとても美味しい食事処(いさ路)があり、家族で良く行きます。やはり長門市は魚がとても美味しいので、子どもたちも刺身が大好きです。あと、鶏肉が安くて、とっても美味しいです。畜産業が盛んで、朝締めの新鮮な鶏肉がスーパーに並びます。養鶏業の大手である深川養鶏農業協同組合さんが、新鮮で美味しい鶏肉を使用した加工品も多く販売されており、その中でも家族みんなのお気に入りは、「チキンヒーロー」です。甘辛で、ほどよくスパイシーな味付けは世代を超えて愛されている、長門市民のソウルフードの一つではないかと思います。

移住を検討している方へのメッセージをお願いします

移住して困ったこと、わからないことがあれば、市役所や地域の人に相談してみるといいと思います。受身でいるのではなく、自分から行動をおこし、声をかけてみてください。優しい人が多いので、きっと力になってくれますよ。

▲自然の中でのびのび遊ぼう
▲地域のお祭りでの家族写真 僕たちも力になりますよ!