先輩移住者紹介~目崎さんご夫婦~

(若い時からの夢であった、自然豊かな土地での第2の人生は、
暮らしの全てが最高の贅沢でした。)
「物質的な豊かさではなく、心の豊かさを大切に」
目崎 勝治 さん 惠さん 50代 大阪府からIターン
移住のきっかけ・当時の思いを教えてください
夫婦ともに若い時から、子育てがひと段落したら、田舎暮らし、自然豊かな土地で暮らすことを夢見ていました。子ども達がまだ小さい時に、屋久島への移住を考えたこともありましたが、その時は踏ん切りがつかず、下の子の成人・就職を機に、夢(移住)を実現させました。子ども達には小さい頃から、いずれは田舎暮らしをすると言い聞かせながら子育てをしていました。お互いに気持ちの準備をしておく必要があると思ったからです。
移住先はどのようにして探しましたか?
夫婦ともに西日本の出身であり、暮らしなれた気候、お互いの実家から離れすぎないということもあり、西日本・九州地方を中心にインターネットで各自治体の移住支援のホームページ(空き家バンク)などを見て、印象の良かった地域に旅行を兼ねて現地に足を運び、移住先を探していました。島根県や佐賀県、長崎県、四国地方にも足を運びましたが、ここだという場所には巡り合えませんでした。
移住先に求める条件として、
(勝治氏)・釣りが楽しめる ・狩猟ができる ・畑ができる ・災害が少ない場所
(惠氏)・街から少し離れていて静か ・住宅が密集していない ・できるだけ自然素材でつくられた家 ・通行量の多い道路に面していない ・災害が少ない場所
と、お互いの希望条件を出し合い、自分たちの理想とする暮らしが実現可能と思われる地域を探していました。



長門市に決めた理由を教えてください。
お互いの希望条件である、災害が少なく、手つかずの豊かな自然が残っている地域が多いということから山口県が候補に挙がり、萩市や阿武町に下見に行った際、長門市にも足を運びました。中心部には総合スーパーや病院などが集約されておりながら、少し離れると海あり山ありの豊かな自然が広がる環境が自分たちの理想とする暮らしのイメージに近いと感じました。
そこから長門市の情報をインターネットで調べたところ、移住に関しての情報発信が、移住後の生活をイメージしやすく、安心して移住できそう!住んでみたい!と思わせる内容でした。
これまで問い合わせた他の自治体に比べ、長門市のオンライン移住相談では、親身になって話を聴いてくださり、とても嬉しかったです。長門市の方々の人柄が好印象でした。

生活に必要なものは揃う。


住まいはどのようにして見つけましたか?
実際に長門市を訪問し、暮らしのイメージが湧いたことから、ここで良い物件と巡り合うことができればと、空き家情報バンクの登録をしました。登録完了後、すぐに今の家が公開され問い合わせたのですが、先約があり一旦は諦めました。その後たまたま長門市へ視察に行くタイミングに合致して、先約の方が契約交渉を見送られたことから私たちに順番が回ってきて、内覧することができ、「自分たちの理想とする暮らしができそう!」と、立地も建物もとても気に入り、特に悩むことなく購入することを決めました。
売主様が親切に、できる限りの手続きなどしてくださり、スムーズに契約することもでき、移住までの間の家の管理などもしてくださったので、安心でした。本当に恵まれていたと思います。



移住支援制度で活用されたものはありましたか?
視察の際には、「長門市お試し暮らしコーディネート事業」を利用しました。そこでもまた、長門市民の方と触れ合う中で、皆さん、長門市が大好きなんだなという気持ちが伝わってきました。また、移住後は、「長門市空き家リフォーム等助成事業補助金」を利用し、古民家のDIYを行いました。
長門市に住んでみていかがですか?
暮らしの全てが最高の贅沢だと感じています。
家から一歩出ると、鳥のさえずりを聞きながら、新鮮な野菜を収穫することができます。アジフライが食べたくなったら、アジを釣りに行くことができます(笑)。そんな風に自分たちの育てた作物、釣ってきた魚、ご近所さんから頂いたジビエなどを食卓に並べ、美味しくいただけること。思い立ったらすぐに温泉に行けること。山菜、梅、柚子などの山の恵みを家の周りで収穫し、梅干しやジャム、お茶などを作れること。たくさんの自然の恵みを享受していることに幸せを感じています。



ご近所の方々や、自治会の皆様も私たちを快く受け入れてくださいました。地区に古くから伝わる伝統行事「湯本南条踊り」にも移住した年から声をかけてもらい、毎年参加させてもらっています。また、4月から10月の毎月第一土曜日に開催される地域のお祭り「長門湯本温泉おとずれ夜市 じゃらんじゃらん」にも顔を出し、みんなでワイワイ祭りの準備をして、焼き鳥を焼いたりと、都会では中々味わえない人との関わり・繋がり・共有する時間を楽しんでいます。



移住して驚いたこと・大変だったことはありますか?
近くのスーパーで半額になっているお刺身がめちゃくちゃおいしいんです!(笑)都会のスーパーと鮮度が違う。食べ物がおいしい。それだけで恵まれていると思います。
移住して一年目は一生懸命整備した畑に植えた作物を、サルに全部持っていかれました。2年目からは畑にネットをして、なんとか防ぐことができました。でもネットの隙間から葉っぱや芽を鹿がかじるので、田舎暮らしは野生動物との共存と割り切っています。年々うまく付き合っていけるようになると思います。
購入した古民家は山が近く、どうしても湿気対策は必要になってきます。畳を新しく変えたのですが、梅雨時期から夏場にカビが生えてしまい、ビックリしましたが、新しい畳にはカビが生えやすいということを学びました。いろんな方に田舎暮らしの生活の知恵を教えてもらい、定期的に畳を上げたり、風通しを良くして対策をしています。広い家の掃除や、家の中に段差が多く油断するとつまずく、冬場は寒くて家の中で洗濯物を干しているとしもやけになったりと、大変だと思うことも沢山ありますが、試行錯誤しながら、幸せで楽しい時間・暮らしを満喫しています。



畑の肥料などに使っている
今後の夢
次から次へとやりたいことがどんどん溢れてきます。家の前にある遊休農地を少しずつ開墾し、お米作りや果樹栽培に養蜂、綿花を育てて糸を紡ぎ草木染めをし、機織りにも挑戦してみたいです。住んでいる地域には萩焼の窯元もあるので、陶芸にも挑戦し、自分たちで作ったお皿に、育てた作物で作った料理を盛りつけ、裏山で伐採した木々で作る箸やスプーンで食を楽しむ。そんな風に自然と調和した暮らしができたらと思っています。
また、こちらに来てから自分たちで作物を育てたり、ご近所の方や知り合いから頂くことが増え、野菜の購入費は減りました。旬のものしか食べなくなったこともあり、食の変化で味覚が変わりました。添加物の多い食品は美味しく感じなくなったり、お腹が痛くなることがあり、調味料など無添加のものを選ぶようになったことで、そちらの購入費は増えたので、今後は味噌や味醂、醤油などの調味料作りにも挑戦したいと思っています。



移住を検討している人へのメッセージをお願いします
長門市は都会のようにデパートはないですが、日常生活に必要なものは全てコンパクトに揃っているので、とても生活しやすいです。
大阪では、徒歩圏内にスーパーやコンビニ、カラオケやファストフード店、衣類量販店などが揃っていて、図書館も近く、外食するお店も多種あり、夜遅くまで開いている。デリバリーもある。学校や病院も沢山あって、一見便利で恵まれた環境の中で暮らしていましたが、その便利さで心が満たされることはなく、いつも気忙しく、緊張が解けない感じで過ごしていて、心に余裕がなく、地域の人たちとの関係も希薄になっていたと思います。こちらに移住して気が付いた部分は大きいです。やっぱり人と人との繋がりは大事だなと改めて感じました。
都会での生活に窮屈さを感じている子育て世代の方々、物質的な豊かさではなく、心の豊かさを求めている方は、ぜひ一度長門を見にきて、長門の自然と人々に接して、長門を体感してみてください。
